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2018.02.10 蟹とヤドカリ

たらば蟹は実はヤドカリの仲間だ、という話を聞いたことはおありでしょうか。
実はそう。たらば蟹、顔を見ても目がすごく寄っているところなんかヤドカリそっくりですし、食べられる脚も他の蟹が10本あるのに対して8本しかない。メスなどは腹部が左右非対称だったりして、殻の中で右巻きにねじれているヤドカリのお腹の特徴を残してますし、さまざまな点でカニよりヤドカリにずっと近いと言われています。
それはもちろん味にも影響して、たらば蟹の身はカルシウムとそれから糖質が純粋な蟹類と比べてずっと多く、それがあの甘さを生んでいるのだとか。

自然が生き物の形に加えるアレンジは面白いものです。グレゴリー・ベイトソンという文化人類学者の著作に『精神と自然──生きた自然の認識論』というものがありまして、これは相当に面白い本なのですが、このなかで著者はまさにカニを引き合いに出して、さまざまな種類のカニが「全然違う形に見えても、実は同じものが膨らんだり曲がったりしているだけで、基本になる形のパターンは同じ」という関係にあることを紹介していたものです。実はこういう「根っこで似ている」関係はヤドカリとカニという異なる種の間にもありまして、どちらも『十脚類』の仲間として、10本の脚を特徴としています。

というわけで、脚が8本しかないと言われるたらば蟹ですが、実は甲羅の隙間にごくごく小さな脚がもう2本隠れていて、これが甲羅の内側を掃除するのに便利に使われていたりします。なので、世間でよく言われる、「たらば蟹はヤドカリの一種だから脚が8本しかない」というのは厳密には間違い。

こうやって、ゆるく同じような「形のルール」を共有しているカニとヤドカリなればこそ、その間にはたらば蟹という、どちらなのだかよくわからず、実際にはヤドカリ寄りなのにカニとして扱われているような奴がいたりもするというわけです。
生き物の形の多様な表現のなかに、このように共通するパターンやモチーフを見出しては、そこから改めてそのアレンジの多彩さに対して驚きを味わう。それこそ多くの生き物を知ることの醍醐味と申せましょう。

ところで人間、目にずいぶん頼って生きているものですからこのような「形」にばかり注目してしまいますが、「味」についてもやはり同じだけの「ルールのなかでの多様さ」がありまして、タラバガニ、ズワイガニ、毛ガニ、花咲ガニ、いずれも大まかにはカニ味なんですが、それぞれ違う美味しさがございます。いつも毛蟹ばかりでズワイを全然食べないとか、あるいはその逆とか、あまり召し上がられない蟹がおありでしたらたまにはそういったものもいかがでしょうか? 弊社は極寒のなかで身を引き締めた美味しい蟹をたっぷりご用意しております。それに、ヤドカリも。

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